ryotech&treatise

気になったことまとめてます。アドテクとかプログラミングとか論文とか。

汲み取り力

「言いおほせて何かある」

これは芭蕉の弟子、去来の書いた『去来抄』(先師評)に出てくる言葉です。

 

 

下臥(したぶし)につかみ分けばや糸桜

芭蕉はこの句が其角の集に入っているのを納得しなかった。
そこで去来が、「糸桜の十分に咲きたる形容、能く謂ひおほせたるに侍らずや」と申し上げると、
芭蕉は言下に「謂(い)ひおほせて何かある」と強い言葉で応じた。
それを聞いて、去来は「ここにおいて肝に銘ずる事あり。はじめて発句に成るべき事と、成るまじき事をしれり。」と、悟るところがあった。

 

この言葉が生まれたきっかけです。

俳諧というものはすべてを言い尽くしてしまってはいけないのだ、と他の芸術にも通ずる真理を端的に述べたのですね。

 

世の中には全てを言わない方が良い場面はたくさんあります。「汲み取れ」って場面です。
きっとすぐ浮かぶと思います。漂わせインスタ女子も全てを言いません。(誰と乾杯してるんだよ!)

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こと仕事ではこうもいきません。仕事において汲み取り力をつけることは大切ですが相手に「汲み取れ」っていうことは悪だと思っています。

  

「ここまで言えば相手に伝わるだろう。」
「この人の言っていることはたぶんこうだな。」
このような考えが原因でおきるミスのKWはすべて「汲み取り」ではないでしょうか。

 

「配慮はするけど要求はしない」そんなコミュニケーションを心がけて働きたい。